2013年11月26日

コード進行で斬る!恋をするたびに傷つきやすく

高インシュリンダイエット中の
パンチョスですこんばんは。


この週末は、予想以上にアレンジの作業がはかどり、
次のt.k.nightで披露予定のUpliftingなトランス曲で
ひとりノリノリになっていました。
家のスピーカーとヘッドフォンなら十分テンションが上がるんだけど、
会場のスピーカーでちゃんとノれるかがポイントですな。


さて、そんなこんなで作業がはかどったので、
深夜から余裕をかまして久々のコード進行講座です。
(書き始めているのが1時半)


これまでglobeの曲ばかりでしたが、
趣向を変えてプロデュース作品。
しかも、結構マニアックな部類の曲です。





ナースエンジェルりりかSOSのオープニングテーマです。

なぜこの曲を選んだのかというと、
この曲に小室プロデュース作品のテンプレートみたいなものを
見て取ることができるからです。
それでも、やはり独特の切なさあふれるメロディを作るのは
メロディメーカーとしての卓越したセンスだと思います。
テンプレまんまなんだけど、
心をがっちりつかむ大好きな曲です。
ということで、この曲の解説をしつつ、
小室プロデュース作品のテンプレを解体してみましょう。


※コードはメジャースケールで解説しています。

<Intro> Key=F

Dm(6m) B♭(4) | C(5) F(1)     | *3

Dm(6m) B♭(4) | Asus4(3sus4) A(3) |


イントロ。ザ・小室進行です。
C majorスケールでいうところの、Am F G C。
これで数千万枚のセールスを作ったといっても過言ではありません。
そして切なさを出す常套手段の3度メジャー。
それを普通のシンセブラスの音色で
普通にクローズのブロックコードで演奏するだけの
ものすごくベッタベタなイントロです。


<サビ>
Dm(6m)B♭△7(4△7)| C(5)F(1)  |
誰かが 街の    |どこかで  ひとり  |

Dm(6m)B♭△7(4△7)| C(5)F(1)|
           |泣いてる |

Dm(6m) B♭△7(4△7) | C(5) F(1) |
誰から  街の  |どこかで    夜が  |

Dm(6m) B♭△7(4△7) | Asus4(3sus4) A(3) |
              |つらい       恋を |

B♭△7(4△7)| C(5)|
するたびに | 傷つきやす |

D(6) | Dsus4(6)D(6)    |
く   |             |


「誰かが 〜 つらい」は、イントロと同じコード進行です。
まんま小室進行に切なさを出す3度メジャー。
最後は、4→5ときて、6度メジャー。
6度マイナーが本来のシメのコード(トニック)ですが、
6度メジャーにすることで、一種の浮揚感というか、
いい意味での裏切られた感を出すことができるのです。
それをシメで持ってくるところがミソです。
J-popではちょくちょく使われるフェイク終止形ですね。


なぜ4度がメジャーセブンスなのかということですが、
誤解を恐れずに平たく言うと、

「4度はメジャーセブンスにするとカッコイイから」

です(笑)
それくらい世の中に4度メジャーセブンスの曲があふれていると
個人的には思っています。


で、フェイク終止形としてD majorで終わっていますが、
そのままD majorスケールにさも当然のごとく転調しています。


<Aメロ> D major
Bm(6m) F♯m(3m) | Bm(6m) Em(2m) |
大事   に       | 守りす  ぎて      |

A(5) G(4)  | G△7(4△7) A(5)     |
なくすも のも      | あるの ね        |

メロ部分はできるだけマイナーコードにするのが
J-popの鉄則という説もあります。
G6(4度シックス)も、
実際はEmとほぼ同じ役割と見てよいでしょう。
あと、5度で終わらせて次のブロックへのブリッジを果たしているのが
AメロBメロのコードの特徴です。


<Bメロ> D major
Em(2m)       | Bm(6m)       |
いとしさは        | 切なさに         |

Asus4(5)       | A(5)         |
かたちを変えて      | リグレット        |

Em(2m)       | Bm(6m)       |
出会わなきゃ       | よかったと        |

Asus4(5)       | Asus4(5)        |
ifの嵐          |              |

A(5)         | A(5)          |
             |              |

2度→6度というのが、ちょっと珍しい動きかもしれません。
まぁ2度が4度の代理をしているという感じですかね。
あくまでもマイナーコードを選択している、という印象。
そして最後、サビへのブリッジですが、
5度で引っ張る引っ張る!!
もう、いやおうなしにサビへの緊張感というか、期待感が高まります。
ギターのあおりのフレーズも非常に効果的に使われています。

そしてサビに行くわけですが、
再びF majorに戻っています。
そして、Bメロ最後コードと、サビ頭のコードをみると、
A→Dmとなっており、F majorスケールでみると、
まさに3度メジャー→6度マイナーという、
切ないコード進行の代名詞の動きをしているわけですね。
よくできていること。


曲全体の構成としてみると、
サビ終わりのA(6度メジャー)と
Bメロ終わりのA(5度)が、
それぞれの転調のブリッジとして重要な機能を果たしているというわけです。


このあたりの転調のやりかたも定番といえば定番なのですが、
サビにピークを持ってくる方法を巧みに使るというか、
やはり計算された曲だと思います。
さすがプロデュース作品。
そしてこのあたりが
「小室プロデュースのテンプレ曲」と私が思ってやまない理由でしょうか。

(1)ブロック内は小室進行を中心とした
基本的なダイアトニックプラスアルファ(3度メジャーとか6度メジャーとか)
(2)サビにピークを持ってくるコード選び

あ、あとそれから、最後のサビで半音上がるところ。

そして、私も含めて、
いわゆる「小室フォロワー」が曲を書くとき、
無意識のうちにこういうコード進行となっています。
しかも、ダイアトニックという超基本的なコード進行がベースだから
「僕にでも作れそう」という敷居の低さが
より小室フォロワーを増殖させたと勝手に予想。

ただし、(2)はちょっと難しいところで、
これができれば一気にメリハリのある曲が作れるはずです。


あとそれから、アレンジについてですが、
「小室哲哉=シンセサイザー」という方程式が成立しそうですが、
この曲は、はっきり言って、ギターのアレンジがポイントです。
小室プロデュース期の曲のアレンジは、
実はギターが果たしていた役割がすごく高かったんじゃないかと
最近思っているところです。
そしてそれが、当時の音にあこがれる小室フォロワーが
なかなか小室フォロワーになりきれない理由のひとつなんじゃないかなぁと
思っているところです。


小室プロデュース論は
書き出したらとまらなくなりそうなので、
とりあえずこの辺で。



あと、歌詞もいいですね。
子供向けアニメとは思えない
暗くて孤独な歌詞がたまらないです。
アニメも子供向けとは思えない
衝撃的なストーリーだったようで。
機会があれば見てみたいです。


posted by project-P at 00:34| Comment(0) | 作曲・作詞関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。